味を表現する言葉なんて様々だ。「旨いや、辛いや、甘い…」
食べたり飲んだりした時の感じ方は人それぞれだし。
その人の舌の経験を蓄積した種類にもよるだろうし、好みにも左右されると思う。
今年は姉が、父の日向けに日本酒を用意してくれた。
栃木県のお酒「澤姫」
私は名前はよく耳にしていたが未だ口にしたことはないお酒でした。
乾杯し三人共にひとくち、ふたくちとその酒を呑み込む。自然と自分なりの味の感想がでてくる。
父「甘口かな…甘く感じる」
姉「…」私のコメントを待つような感じ
私「厚みがあるし、味わいが太くて香りがフルーティ?…辛口より」
ボトルの裏ラベルにはそのお酒の最適な飲み方とか味わいのニュアンス、香り等の説明が記載されている。今回の澤姫には香りについて「…バナナを連想させるクラシカルな吟醸香…」と記載されていた。それを軽く私が読み上げると姉は
「やっぱりねバナナの香りはした…白ワインみたいだね~」
すぐに姉がコメントしなかった理由には、よくあるワインのテイスティングコメントみたいな表現をしてしまうのが嫌だったみたいだ。これは理解できる。なぜか口にした物の味わいを素直に言葉にしただけなのに同じ空間にいる人に自然に受け入れて貰えず、変なふうに解釈されてしまうことがある。すると素直に表現することを避けるようになってしまう。これは私も同感だ。誰が得することもなく、損することもないのに。いつのまにか自然と感想を発することを避けてしまうことがある。
そうゆう意味では父の様に、口にしたものを素直に甘く感じれば「甘口だね」と言える方が変に気を遣わずその場を楽しめていると言えるだろう。