創作
いつもとはタイプが違っていた。いつもは大抵が僕のほうから頑張って会話を盛り上げる為に会話のキャッチボールが繰り返されるような話題を捻り出して彼女たちにメッセージを送っていた。しかし、長続きはせず現実に会うまでに至ることは少なかった。 マッチ…
おしまい「はい!っおしまい!」って子供に絵本を読み聞かせが終わる最後のページをたたむ時。おしまいおしまいは相手から突然に伝えられる瞬間がある。おしまいおしまいだよ…と嘆く様が写し出される場面は映画でも、ドラマでも漫画でも。おしまい試合に時間制…
今週のお題「卒業したいもの」 東京での生活が4年目に差し掛かった。 板橋本町にまた住むことになった僕は独りだ。家賃は6万円、共益費は2千円。駅からは近い。商店街と商店街の間に位置するアパート。大家さんは同じ建物の3階に居をかまえている。1階は家業…
季節は春が過ぎたころ。ゴルフ帰りの4人が6人掛けのテーブル席で反省会と称して盛り上がっていた。8人座れるカウンター席は既に埋まっており、もう一つのテーブル席、入り口付近に設置してある場所も先客で埋まっていた。 このお店、BARの屋号は倶楽部。場所…
今週のお題「習慣にしたいこと・していること」 それを見て僕は少し疑問に思ったけど 見て見ぬふりをした。 その日はいつもより仕事が早く終わった。いつもより1本早い電車に乗れた。 その日は中島が住む祐天寺の駅で降りることになった。 電車から降りる扉…
今週のお題「大移動」 「いや…それだったら居ろよ。東京に…留まれよ。」 『いや…なんかもういいかなって思いました。地元戻ろうかな、かなって…』 「戻ったら終わりだぞ。田舎にはなにもねえんだから。」 『まぁそうですけど。…。』 後で聞いた話、この時4つ…
就職祝いだったのか…朝礼の場では反対側の顔も見える位置に正面で向き合って立っている。僕はその中島という年齢は同じ20歳の子と付き合い出していたと思っている。だけど今、会社の朝礼に正面に立っている中島の首には知らないネックレスが纏っている。イタ…