【クリスマス商戦1 某商業施設】
シェフは言っていた
クリスマスに席が埋まらなければ
1年間が無駄になる
積み重ねた意味がない
料理人、イタリアンで生きてきた彼にとっては最も重責がのしかかる期間なのだろう
イタリアに料理留学の経験もあり
現地で参加したコンテストで賞もとっている
場所は東京銀座
某商業施設内店舗
東京には360度見渡す限り競合店揃い
この大事な期間
クリスマス商戦を担う相方
ホール側、店舗責任者は私だ
販売予定料理は
Christmas Courseを1本のみ
他メニューも単品対応もしない
パスタに特化した店舗故に
特徴あるパスタ料理を3つ組み込み
そこだけ選べるようにした
日程調整ギリギリまで予約を取る取らないで悩み、最終は予約受付なし
ウォークインゲストのみの対応
ある意味リスクを取ったが
結果は大成功
ゲストコメントも上々だった
ソムリエが用意した
Christmas Dinnerの為だけに仕入れた
Champargneも予想をはるかに上回る
オーダー数だった
特に大きな事故もなく
来店して頂いたゲストへ
1年に1回だけの
Christmas Dinner
を遅延することなく提供でき
シェフの顔も立った
【クリスマス商戦2 某空港】
空港内にある飲食店は
また顔色が違う
当然だが全国から足を運ぶために
あらゆる地域の人が
1ヶ所に集う
正に十人十色のオンパレード
この店舗のロケーションは
夜景がとても綺麗にみえる作りをしていた
巷で話題にもなり
雑誌にも掲載されていたことがあった
となれば
かけ込み来店や
電話問い合わせが
当日発生する可能性は大きい
予約対応しない限り限界はあると
予想ができた
通常営業においても
飛行機の発着時間のずれで
日々、人の流れが左右されていたからだ
こちらのシェフも人一倍負けん気が強い
環境に言い訳せず
コツコツ結果を作り上げるタイプ
他グループ店舗に負けたくない闘志を
いつも感じていた
その年も
自身の納得いくクリスマスをゲストに
提供したく鼻息荒かった
用意したChristmas Dinnerは2本
2種類対応はスタッフの力量を考えると
不安はあったが
そこは私がなんとかするしかない
こちらの店舗はグリル料理に特化している
炭火の焼き場が客席からもよく見える
ガラス張りで立ち上がる炎も良い演出だ
良し悪しは半々
グリル料理はとても時間がかかる
予約状況は早めに埋まり
2回転分を受付、当日を迎えた
Christmas Dinner1回転目
空港だからか?今年の予算が嚙み合ったのか
若いカップルが多くみえた
無事2回転目を迎えられると思っていた矢先
甘かった
食後の皆様は会計後も
直ぐには席を立たない
移動する気配すらない
忘れていた
クリスマスなんだから食後の余韻も長い筈
店舗入口には次の予約ゲストが勢揃い
申し訳なかったが
各テーブルお声掛けさせて頂き
退店して頂きリセット
私の詰めが甘かった
結局、2順目の予約ゲスト開始時刻を
大幅に押してしまった
有り難くも特にBADコメントはなく
この年のChristmas Dinnerも
終えることができた
この2回のクリスマス商戦は
強く記憶に残った仕事の1つだ
現在シェフの1人は神奈川で独立し
もう1人のシェフはハワイで
規模の大きなレストランのトップ、統括シェフをやっている
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