前に進むための場所

過去の掘り起こしを未来に繋げる

栃木県にある寺院、多気不動尊近くにある桃畑茶屋【山菜そば+だんご=950円】コレ食べた74

当ブログではアフィリエイト広告を利用しています

Why

栃木県にある寺院、多気不動尊へ辿り着く手前に位置する唯一近隣にある飲食店。

【桃畑茶屋】そば、うどんがメインで提供され「だんご」の持ち帰りを求めて訪れる人が目立つお店。店内飲食も可能だが不思議とコロナ前に伺った時から私がお店の入り口を入った直ぐ左手にある2名掛けのテーブルで山菜そばを食べていると間を置いて1組、また1組とお店の扉を半分ぐらい開けて、体を半分だけお店の陣地へ入れはするが体前進は店内へ入れない形を作り「持ち帰りのだんごください!」とお店のスタッフへ声をかける。買える人もいるが、買えない人もいる。やり取りを聞いてきた限りでは”予約”していた人は買えて、且つその日の営業中にだんごに余裕がある時はサラでも持ち帰りで買える。しかし、お店側も店内飲食のお客さんにも気を遣い、イートインゲスト用のだんごのストックは持ち帰りのみ希望の方へは販売しない。徹底したスタイル。

私が初めてこの桃畑茶屋に足を運んだ時も「だんご」を注文したが既に売り切れだった。少しだけ残念な気持ちもあったが仕方なく山菜そばを食べその日は素直に帰宅した。

 

今回はお昼前の時間帯、11時を少し過ぎたくらいに扉を開け先に着席していた2人を除いて店内は静かだった。前回同様に私は入り口を入った直ぐ左手に位置する2名掛けの気持ち少しだけ狭い長方形のテーブルへ桃畑茶屋店内の空間がよく見えるように紅葉が見える窓を背に向けて座った。注文するオーダー、食べたい蕎麦はあらかじめ決めていたので、店員の一人が一杯目のほうじ茶を提供しに来てくれたタイミングで【山菜そば】を注文した。そこですかさず在庫があることは確認もせずに【だんご】も追加でお願いした。奇妙にも【だんご】のオーダーの際に注文を聞いてくれた女性は少し驚いた声で、何事もなかったかのように立ち去って行った。憶測ではそばを頼んだのに後付けでだんごを伝えた私がそばを食べる前にだんごが提供されてしまうのを知らないのだろうと、それを吞み込んだゆえに口が少し吃音じみたように感じたのだろう。

 

そう願ったわけではなかったがだんごはデザート、食後に…とも淡い期待は抱いていたがそうは問屋が卸さずに前菜として提供、配膳された。

だんごが私のテーブルに置かれると当たり前に皿の盛り付けは視界に広がるのだが、そこに紅葉が添えられているとは粋な計らい。心躍らされた。足せばこの日、あまり観て廻った紅葉に不満足であった慰めの様に、気持ちを汲み取られてしまったかのような出来事になりとても満足した。紅葉に気を取られている中で口に含んだだんごを噛みしめ、あんこを舌で味わう。それはあまりに柔らかくて芯がないだんごとあんこ。勝手に想像するはとても時間をかけ、繊細に練られたあんことだんご。柔らかすぎて他で口にするだんごが全て時間が経過した産物にしか描けなくなった。だんごの粘り気とあんこの上品な甘さで提供された休息はわざわざ足を運ぶ理由になった。

 

あっという間に皿を空にしてしまった、だんご。山菜そばが提供されるまでの時に間を自ら生んでしまった。この場所から少し足が遠のいていた理由の一つにはこちらで頂いた蕎麦のタイプがいわゆる田舎風であったので少し好みと違った感想があり次回持ち越しが長く続いた。だが今回は違っていた。

以前とは似ても似つかぬ蕎麦に片鱗をとげていた蕎麦。なにか思うところあって変化があったのか、特にお店側に尋ねようと思うだけにして口には出来なかった。製麺所の使用をはじめたのか、打ち方、蕎麦粉を変えたのか定かではないが結果はオーライであった。のど越しも良く、細さも好みに仕上がっていてただ美味しかった。

山菜も新鮮だからか噛むと酸味が強くて蕎麦に負けず、劣らずに、ここまで山菜の新鮮さを味わえるのも場所は宇都宮中心地から遠く離れ山に位置し住所はほぼ鹿沼という立地もあるだろう。冬の気温差も驚くべき数字を計る。宇都宮市をイメージした服装でこの地へ来ようものならば冷えで目が覚める。

今回得られた土産話とすれば、山菜そばの山菜の酸味はさることながら【だんご】のお盆に併せて”お口直し”で添えられた「香の物」だ。なにげないそれはひと口つまみ、噛んでみると新しい刺激が口に広がり目が点になった。くやしさから半ば急ぎ気味で答えを模索してみると「擦り下ろした生姜」が漬物に和えてあった。これだけで、それだけで、そんな単調な表現は失礼かもしれないが加えるだけでここまで表情が変化し添えではなく前に押し出された役柄として印象を残した。旨い。

 

香の物といえば、映画【清須会議】で役所広司演じる加藤清正織田信長の妹へ恋心から土産としてらっきょうを贈った。しかし、それは言葉の取り違いであり、妹が好む香の物は「お香」の類であり、漬物の類ではないという与太話。なかなか好きなシーンであった。

 

桃畑茶屋は多気不動尊近くに唯一ある腰を下ろせ、蕎麦が、だんごが頂ける場所。

今後、目を背ける事の出来ない後継者問題は難題だろうが何とか続いて貰いたい。