座学もあっという間に7回目を迎えた。この日はレポート2枚目の提出日でもあった。私は意外と早め早めで手をつけていたので特に焦りはなく採点を待つばかりといったところだ。
次週からは実習にはいるが4月に入り1週間を経過する時間の体感が増してきている。
少しだけ実習に向けての内容を講師も織り交ぜて声をあげていく。そこにはベッドメイキングも登場した。多分、私はベッドメイキングが下手だと予想している。理由はあまり把握していないが過去の経験上、上手ではないことに自分だからこそ踏まえている箇所がある。そして好みでないことも。
講座スタートは「生活と家事」をテーマに進んだ。訪問、施設場所は、サービスはどれにしろ利用者さんとの会話の中で朝食を摂ったか、食べたかはヒアリングとしても重要なこと。コミュニケーションのひとつとしても有効。
朝食は年齢関係なく様々だ。
白米、パン、食べないか、食べていないのか。
時代と共に朝食の種類に変化もあったようで、キャリアが豊富な講師も現場にいた当時の驚きを話していた。
「平成、令和の時代は朝食を伺った時に”シリアル”と答える人もいる。」
と……
ここは誤りを訂正するかのように講師は言った
「私も未だ偏見が完全には取り払えないようです。」
と……
そう、高齢だからといって、年長者だからといって『シリアル』を朝食にする人もいるといった内容だ。高齢者イコール白米かパンしか朝食にしないという脳は偏見なのである。
今回、最初のグループワークは食事のメニュー考案だった。前置きとしてテキストを元にメニューの構成順を学んだ。ここは
「へ、え…」
と新しい知識を得た様に頷けた。
食事の献立を作成する際に(勿論食べる側の健康状態を考慮してのことだが)順序が存在した。
主食→主菜→副菜→汁物→(果物、乳製品)
このような流れで(対象に疾患等があればそれに適したメニューを……例えば高血圧、75歳男性とわかれば1日の摂取カロリー1800kcal内で作成)
カロリー計算もしながら、これらを約30日(1カ月)分作成し実行し継続していくのだから骨が折れる。
次に来週から始まる実習に向けて福祉用具の簡単な説明、触れることに講座は移った。例えば簡易トイレについては利用者さんがベッドでの生活がメインとなっている場合もありトイレまで行けないなど間に合わないシチュエーションで利用されている福祉用具。これは便座を支える足の部分が円状に作られており、その円筒は2重構成で内側の円筒を回転させることで足が伸びたり、縮んだりできる。高さが調整可能だ。ただ運ぶときに引きづってしまうとその円筒の一部が回転してしまい4本ある足の一部が短くなっていたり、伸びて一か所だけ長くなり不揃いが発生すると危険だということがある。
車椅子、ドイツ製の物を実習では使用されていた。ここはポイントがひとつ私の頭を混同させた。手でかけるロックの部分が私の馴染みのある車椅子とは逆の物だった。車椅子の座席、左右に付いているタイヤの直ぐ前にタイヤを止める為のロックするレバーが左右に付いている。(車でいうサイドブレーキの役目だ)私の知っている車椅子、馴染みの車種はレバーを前に倒すと解除され車椅子が進行できる。手前にレバーを引けばタイヤがロックされる車種に慣れていた。しかし、実習で使用するドイツ製はこのシステムが真逆であった。レバーを前に倒すとタイヤにロックが掛り、座席側にレバーを引くとロックが外れタイヤを走らせることが可能だ。混同した。
この日の後半に紹介された福祉用具のひとつ【スライドボード】は大きく納得を得た。ベッドから車椅子。車椅子からベッドへの利用者さんを移乗させる介助の際に使用される用具のひとつ。
両方の間へ橋渡しさせるかのようにその【スライドボード】を設置、かませ、その上を利用者さんをお尻で滑らせながら双方へ移乗介助する。特に重量がある利用者さんへは有効である。体感してみると予想よりも遥かに安全であり、スムーズだ。
7回に渡る座学の講座は終了し、次回からは実習が始まる。今日だけの時点で言えば座学よりも実習の方が体に染みつくのは早いと感じた。