介護老人保健施設ディサービス。
1日の流れの中でレクリエーションが終わり15時ぐらいには【おやつ】の時間となる。
その施設では暖かい緑茶とその日のお菓子が配膳される。
時には抹茶ムース、少し前にはあんみつ。
利用者さんたちは甘い物の摂取を制限されている人たちが多いためにとても魅力的な時間なのかもしれない。某7月のイベントではバニラアイスクリームをロットの大きなサイズとサーバーを持ち栄養士が利用者の席まで提供しに行った際など完食の速さ、寡黙な喜びが激しく見られた。見方を変えれば日常でアイスクリームを口にすることがなくなっているのか…それはご家族の配慮によるだろう。しかし、皆言葉悪く言えばガッツイていた。バニラアイスクリームの人気は凄まじいものだった。
つい先日のこと職員がレクリエーションの中で【エクレア】の話をした。私達からすればなんでもないようなお菓子、デザートのひとつだ。シュークリームが長方形になったような見た目をしており、中にはカスタード、ホイップクリームが詰め込まれ、シューの生地へ上からチョコレートがコーティングしてある。私も好きなデザートのひとつではあるが最近は口にしていない。【エクレア】の話題に対して利用者のリアクションが私には新鮮に映った。
「知らねぇ!」
『食べたことない…』
私の側に居た90代の女性利用者は有無も言わさずにそう反応した。驚き…というかそういうものなのかなとも思ったが。可能性としては【エクレア】を目で見たら…
「知ってる!」
と言いそうだ。
しかし、本当に口にしたことがなく、食べたことがないのであれば1度は食べさせてあげたいという気持ちも無言で湧く。
話は変わり、先月から新しく通所が始まった利用者さんのケースだ。
確か90に歳は入っていると思った。右麻痺がある為におやつのスプーンですくうタイプのゼリーや、ムース等は皿を支える介助が必要だ。直近で数回その利用者のおやつ介助に私が対応した。少し嚥下に不安があるので他の利用者とは違うおやつが提供される。1回目のおやつ「ライチゼリー」は完食した記憶。だが、2回目、3回目に提供されたおやつ「ベリー系のムース」をひと口スプーンで味わうと…
「甘すぎる…」
食べれないというサインを受け取った。
栄養士に相談し、別の物…「ヨーグルト」で対応し事なきを得た。
4回目となったおやつ…その利用者から再度
「甘すぎて食べれない」
と言われた。そして栄養士に報告。その日に賄えるのは「ヨーグルト」しかなかった。前回、前々回と「ヨーグルト」は完食してもらっている。
…がしかし、その日その利用者の反応は違った。「ヨーグルト」をひと口スプーンで舐め…
「甘すぎる」
とコメントした。私は再度「ヨーグルト」を下げ、栄養士へ報告。介護福祉士を交え少し状況を整理した。昼食時にも少し変化があったようで傾向としてその利用者の反応は皆と同じものを提供して欲しいようだ。昼食の一部も嚥下の不安から超刻み食、近日は刻み食への変更があったらしい。憶測でしかないが自分に提供されているものが嚥下の不安から固形物ではないもが提供されていることへの不満なのかもしれない。
次回、ST(言語聴覚士)が改めて嚥下の状態を確認し食事、おやつの提供内容に変化があるかもしれないが、微妙なところではある。
おやつ「甘すぎるから…」ヨーグルトへ変更し【ヨーグルト】は完食できるが栄養士としては介護保険の中から【100円】おやつ料金を頂いていることでヨーグルトで済ませるわけにはいかないのが今回の肝だ。