利用者さんへのお昼ごはんの提供は学校の給食のようなスタイルで配膳される。
トレイにご飯物、汁物がメインであり、おかずとして肉魚料理、漬物、サラダなどの構成で皿が並ぶ。
その日のメインは「三色丼」だった。
そぼろ、玉子が細かく調理されていて、お好みで白米に乗せて食べる。
副菜のひとつに「インゲン」の和え物があった。
この二品が、私には際立ち、強く印象に残った。
食事中、「三色丼」がメインなので利用者さんはそれを箸、スプーンを使い食べる。
しかし、そぼろや玉子は細かく調理されている為にポロポロと口に運ぶ前に床にこぼれる。御本人様たちは溢すつもりがなくても、うまく口もとまで運べずにこぼれてしまう。床にそぼろ、玉子が転げ落ちてしまう。
こぼしてしまっていることに当然、気づいている利用者さんは食べることよりも床に溢したそぼろ、玉子を拾う行動に出る。
食事どころではなくなる。
車椅子に座って食事をしている利用者さんは車椅子に座った状態から、床にこぼしてしまったそぼろ、玉子を拾う動作をしようとする。
危険である。
車椅子に座っているという状況は、必ずしもではないが両足を車椅子の足置き場に乗せている状態。その体制、姿勢から床に落ちているそぼろ、玉子を拾おうとすれば頭から床へ前のめりに転がる危険性があった。
それが同時に各テーブルで起きた。
パっと私の視界に映った約三名。
【床にこぼれた…拾う動作】
視野に入らなかった人を含めたらもう少し同じ行動を取った利用者さんはいるのではないだろうか。
危険を伴ってしまったメニューだ。
ヒヤリ、ハットとして次回は「三色丼」が提供されないことを願う。
今回、利用者さんが床に落ちたそぼろ、玉子を拾う動作で事故は一件も起きなかったが改めるべきだろう。
正直、私には想定外だった。
一件も事故が起きずに良かったとしか言えない。
副菜の「インゲン」の和え物。
これは利用者さんが食べ終わり、下げ善をすると明確になった。
ほとんどの利用者さんが「インゲン」に手をつけずに残っていた。
少し考えてみるとなんとなく理解できた。
「インゲン」を調理してもその食感、筋張った部分が利用者さん達は好みではないのかもしれない。
私の父も歯が弱くなってきており、繊維質のものや、筋張った食材は自ずと避けるようになってきている。
憶測ではあるが、「インゲン」に手をつけなかった人達の理由はそこだろう。
これも次回は避けるべき内容だと思う。
苦手な食材を毎回避けているのは大変かもしれないが、大半の利用者さんが手をつけないメニューを提供するのは替えてもよいのではないだろうか。
改善されることを願う。
その場に立ち会わなければ予想もつかなかった、「三色丼」と「インゲン」だった。