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製作チームは涙を流したのか否か|映画【PLAN75】

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 信じがたいが日本でその法律【プラン75】が可決される日は来てしまうのか。物語は薄暗く始まり不穏で終わる。

 独居の老女、プラン75を斡旋する側で働く青年、母国にいる娘の為に働く女性。3人それぞれの視点で描かれている。老女はプラン75の既定に達し悩み行動する。青年はプラン75を通して親族と向き合う。女性は日本人ではない立場でプラン75に関わっていく。3人は遠く交錯する。老女は孤独と社会に悩み決断する。青年は仕事と本心の違いに迷う。皆、正解がわからないまま時間は過ぎていく。

 

 倍賞千恵子さんはこの役をどう感じて、演じたのだろう。ウィキペディアで年齢を見ると82歳。作品の中で演じた老女のような体験をしたことはないだろうが、周囲の人よりもそこに理解がある方ではないかと想像する。経験値として。役ではシルバー人材として働けなくなり、いきついた先に待っていたのが【プラン75】のサービスを受けることで自分が求めていた物事を解消できた。しかし、その後の覚悟に思い悩む。

 映像が独居を、社会が高齢者を追い込んでいく描写がリアルだ。映画として作られた物語をみているようで未来ではない今をうっすらと見させられているように感じた。

 

 映画【PLAN75】は国際共同制作。監督*1は日本人だが、周りを固めた首脳陣は外国人の名前が多くクレジットされている。個人的な見解だがそれによりリアルさが増したのではないかと思う。

 

 

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*1:75歳以上の高齢者に対して自らの生死の権利を保障し、支援する制度「PLAN 75」の施行に伴う制度の対象者たちや市役所の職員、スタッフの苦悩を描く。 監督は本作が長編映画初監督となる早川千絵、主演は本作が9年ぶりの映画主演作となる倍賞千恵子。 第95回アカデミー賞外国語映画賞部門 日本代表作品。引用:Google.com