前に進むための場所

過去の掘り起こしを未来に繋げる

想定外の出来事、やり場のない心情

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病院に併設する薬局前。

入り口を出たところの左手にベンチがある。

其処がお迎えの、待ち合わせ場所だった。

公衆電話からの予約の為に

乗り場に車を停めたはよいが

うまく客と運転手は折り合いがつかない。

数分。

運転手は車から降り

辺りを、車を起点として

歩き周った。

円を描くように。

180度、目線に入る人達と

目が通ずるように。

病院の敷地で上を向く姿勢を

取っている人は少ない。

繰り返し、周回した。

少し視界を広げてみると

ベンチでうつむく男性、女性がいた。

予約は女性としか記載がなかった。

2名と記載があれば少し散策を短縮できたはずだ。

予約者側が車のボディにある社名文字に気づいたのか

男性が先に立ち上がり

女性は後から追いかける形で

こちらに向かってくるのが

わかった。

2人がなんとなくだが

こちらの意図を汲んでくれた。

予約名を伝えると

間違いないようだ。

無事に2人を乗車させると

出発。

目的地は

約15km先、時間にして約25分といったところだ。

目的地は自宅。

病院から自宅。

ルートを尋ねると訪れていた病院は不慣れなところで

あまり土地勘がないらしく

委ねられた。

走り出すと…

乗車しているのは母、息子らしき2人。

こちらから訪ねてはいないが

病院に居た経緯が話され始めた。

 

日時は不明…

深夜、明け方…3時頃

旦那様が運転する車が突然に

高齢者が運転する車に激突されたそうだ。

旦那様は救急搬送され

一命はとりとめた。

しかし、奥様がかけつけ意識が戻った日。

未明、会話をすると

記憶喪失のような状態だそうだ。

「一命は…なによりと思うしかない。」

不慮の事故。

言葉にならない不運。

加害者側の高齢者77歳は無傷。

お見舞いのような顔出しは一度切りだそうだ。

???

その後、一度も加害者は病院に顔を見せないそうだ。

事故後、加害者の車は警察に没収されたそうだ。

調査の為か…

だが、なにかしらの交通手段はあるのは確かだ。

バス、タクシー、

身内による送迎。

一度、謝罪に訪れた時、

加害者は独りで来訪。

手ぶら。

???

その後、姿は見せないそうだ。

奥様は怒りと憔悴で落胆。

とりあえず、話したい事を全て私に

告げると目的地、自宅まで無言だった。

御子息、同乗者は

迎車、乗車、同乗、到着、降車、

最後まで無言だった。

ある日、突然に帰宅してこなかった

旦那であり、父である存在が

記憶喪失。

やるせない12月となった。

奥様曰く、

「年末年始ではなく良かった。」

「命あって御の字と言うしかない。」

「加害者から誠意を感じない。」

到着した自宅。

降車した場所は家の庭先。

約15km、約30分未満程度の移動。

運賃は9000円丁度。

 

車の事故は後を絶たない。