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結末なんてないのかもしれない。|原作:吉本ばなな 映画【白河夜船】

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どうもAmazonプライムビデオのアルゴリズムには私の嗜好は「不倫」と『同性愛』が前に推しだされるようになっているようだ。サムネイル画像と少しの詳細をチラッと見ただけでその作品をクリックして視聴始めているだけだが内容はたいがいそれらにヒットしている。別に嫌ではないが去年の師走あたりのヒューマンドラマ的な要素はどこへやらだ。

 

終わりまで観ずとも途中の段階で既にどういう感覚を持てばこのような入り乱れる人間関係というか交錯する気持ちが描くことが可能なのか奇妙にさえ感じた。妄想からか後ろめたさからか、彼への愛が強い情緒から来たのか。その正妻とそのようなニュアンスで顔を合わせ会話し不倫相手に伝える。では【しおり】さんは何だったんだろうか。個人的には【しおり】さんは友達になれないようなタイプの女性にみえた。言葉を放つと多すぎる内容を濃く伝えてくる歯切れも悪いが完結しない詰めかたをしてくる。ディープな人格だ。私とは難しそうだ。

 

安藤サクラさんは俳優さんで姉がいて、ご両親も俳優さんだ。旦那さんも。初めて映画で観た作品は【愛のむきだし】。だいぶ昔の作品だし多分、安藤さんは10代ぐらいではなかったかな。そこからいろいろ目にしていたが映画【百円の恋】で個性が強くなったのが深く観えた。いまはもうみることはなくなった俳優:新井浩文さんと共演していた作品だ。去年の地上波ブラッシュアップライフまでいくと少しズレがあるのか【愛のむきだし】と【百円の恋】の次に繋がる過去には無いような色気を出した役にみえた。ベッドにのけぞり、仰向けに窓、テーブルの方に顔を向け身体をこれでもかと反っているのであばら骨が鋭利に天井に向いている様はインパクト大だった。

 

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不倫は双方どちらかがアクションを起こさない限り何も始まらないと思っているがそうではないのだろうか。映画【白河夜船】ではあまりその辺の出会い等は気にもならないくらいに二人の関係性にストレスを感じているのか情緒が安定しない女性を映し出しているようにみえた。電話を待つしかない。連絡を待つしかない。自ら連絡をしないのか、できないのか。してはならないのか。自らコンタクトが取れない関係性はハンデが非常に大きいだろう。待つしか叶わない境遇だからこそ会えた時の感情がひとしおなのか。そこから抜け出せなくなるきっかけ。

終わりは両国の花火大会に出向き、花火を見上げるようなシーンで幕を閉じるがそれは映画【ヴィヨンの妻】にあったような含ませた続きはないのに、続かせているままその後を観る事が出来ないフラストレーションを植えつけられる。映画やドラマはそこに中毒性があるのかもしれない。視覚効果がもたらす何かか。小説などではそれを強く感じた事はあまりない。映像だからそこに執着してしまうのか。

 

 

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BARに寄り添う人の中にもそういった女性はいた。年上の営業担当に気に入られ妻はいるが毎朝、車で通勤していることが理由かどうかは不明だが毎朝その子を家まで迎えに来て車に乗せ一緒に会社に出勤していたらしい。年上の営業担当からすれば不倫相手であり、妻はいてその現状を替えることは微塵もなかっただろう。その子はその子でひとりは寂しいからという理由で特に求めてはいないが流れるまま時間が過ぎているような出来事だったらしい。ある時に独身の映像関係に勤める男性がBARでその子に声をかけがんばって口説き見事ゴールイン。結婚し子供も授かった。当然だが不倫相手、年上の営業担当とは関係を解消することが出来たのだろう。一件落着かどうかは言葉が違うがその子は前に進めたのではないだろうか。自分では切り離すことの出来なかった毎朝家まで迎えに来る運転手を。