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自首か逃避行か。|映画【Unfaithful】

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邦題は「運命の女」…かな。リチャード・ギアダイアン・レイン主演と見ると時代を感じてしまうが。公開クレジットは2002年と表記。久しくリチャード・ギアを観てはいなかったし少し遠ざかっていたというか忘れていた雰囲気もある。前回にamazonprimevideoで見た作品が不倫を前に出した作品だったが故に次にお勧めに表示される作品もやはり不倫がテーマだったりする。好きか嫌いかで言えば結果的には見てしまうのだから好き派なのだろうな。単純な綺麗な恋愛、ロマンスを見るよりはそちら側に趣味嗜好がよってしまう。以前に観た「モテない小説家」よりはというところだ。

 

時代的に女優ダイアン・レインの美しさが推し出された作品でもある。詳細表示にもエロティックサスペンスと記載があり”エロ”を強調している。ほとんどエロだった大人のグリム童話 白雪姫のような描写ではないので、ちゃんとした”サスペンス”も楽しめた。

 

一概に何とも言えないが夫婦だから成立したトリックというか、証拠隠滅に半ば成功、繋がってしまったのは夫婦だからだとみた。これが恋人、ゆきずりなんて設定であれば自然に相手を思う気持ちが前に出てそれが狙ったかのように証拠隠滅になるような忘却の技巧は起きないだろう。「11年夫婦なんだ…」「息子は9歳になるんだ…」という夫(エドワード役:リチャード・ギア)が妻(コニー約:ダイアン・レイン)の不倫相手に対峙した際に放つ言葉。そして見つけてしまう思い出の品。

 

 

この作品の冒頭のシーンもまた印象強くあった。突風が吹き続く中をコニーは買い物袋を抱えきれない状態で歩く。そこに抱えきれない程に積上げた本を重ね持ち同じように突風の最中に歩く若い男性。二人は誰がすれ違ってもセクシーであり、振り返るようなさまだ。台風のような風がふりしきる中でタクシーが1台もつかまらないというシチュエーションにも深い意味を持たせ最後まで観てる側を楽しませてくれた。そういった経緯、布石を残し小出しにするようなところがサスペンスと謳われるエロティックという表現だけに収まらなかった点でもあるだろう。

 

しかし、エドワードに早とちりのような感覚で仕事をクビにされたボビーは事の顛末を目撃していたにも関わらず詳細にはエドワードへコニーの件を口添えしなかったのは忠誠心からではないのだろうか。私はボビー(エドワードの直属の部下)がエドワードに最後言い放った「…あんたが家族のことを言うか…自分の家庭を顧みろ…っ」と吐き捨てたセリフはそう捉える。

 

2002年公開作品。描写は古くも感じるし、映り方が新しくも見えるので奇異ではあるが良いと印象に残る作品はいつもその中立に位置し定まらないように見える物が多い。