「噂では聞いているかもしれませんが、私明日で退職するんです」
と伝えれられたが”噂”もなにも聞いたことはなかった
同じフロアで勤務しているだけで、特に仕事が深く関わりあうようなわけでもない同僚からの挨拶を帰りかけに伝えられた
驚きはしたが内容、理由を伺えばおめでたいことだ
随分と久しぶりに人に対して『おめでとう』なんて言葉を発した気がする
この同僚とは休憩中、10分間にも満たない空間の中を3~4人(わたしも含む)で過ごしてきた仲間内のひとり
それも明日で最後だ
彼女は何事も器用に要領よく結果に繋げ周囲からの信頼も厚い人物だ
いかんせん若さからか自分の引いたラインを割ってしまう仕事の仕方を嫌う為に、過度に頑張り過ぎて疲れをみせることもあったが優秀な人材なことに変わりはない
不思議なことに、
【明日で最後だ】
と聞いてしまった後、ほんの少しだけ”ロス”を感じた
ここ5年間くらいはあまり喜怒哀楽から離れてしまっていたように自分のことをみている もともと感情豊かな方ではないと自分のことを分析しているが本当のところはどうなんだろう
なんだかよくわからない感情が出て来ていて、うまく精査出来ないでいるが過去にいくらでも同僚が退職することには立ち会ってきている
『歳のせいか?』
まぁ人並みに感情を持てるようになったというポジティブな解釈をし終わろうと思う