記録的な作品。記録として残すような作品。記録された内容。
ルールは小学生時代あまり感じていなかった。
ルールは中学生の時代は破るためにどうするかを考えていた。
ルールは高校生の時はルールの穴を見つけようとしてた。
ルールは遵守させる側に立つと簡単なようで理解してもらう事が難しい。
ルールは生かされているのだろうか。
ルールが口癖のように母:尾野真千子が口にする。ひとつのテーマとしても掲げたのだろう。社会問題を詰め込んだようなこの作品は冒頭から池袋の交通事故を彷彿とさせ、コロナ禍を見せ、シングルマザーが奮闘し、息子がいじめと向き合う。遺族には遺族の意見があって、いじめる方にもそれなりの理屈があるらしい。放火は犯罪だが気づかれていない。外に女を作った旦那は既に他界しているが愛人にも子供はいて養育費がかかる。旦那の旧友には年に一度を繰り返され、色目もつかわれる。片思いしていた学生時代の彼と偶然再会するがもうあの頃の純粋さはお互いに持ち合わせていない。DVがまかり通ってしまうカップルの時間と生活の共有はどうすれば前に進むのか。リストラも採用も紙一重でタイミングなのか既に仕組まれ決定事項でしかないのか。境遇とは避けて通れない現実か。努力次第で過去も未来も変化を起こせるか。
ルールを活用できるのは少し階段を上らない限りはルールに閉じ込められるだけか。
ルールを渡されてしまったら未来は堅苦しいのか。
ルール改定はご法度なのだろうか。
ルールをうまく活用できた人にしか光は当たらないのか。
ルールはどうするべきか。
尾野真千子という俳優は自然と名が残る俳優だと思う。
この作品の最後の方で役者が役者を演じ、役者がカメラマンを演じるシーンがある。
2人ともモニター越し、映像の中の方でしか観えないが本気が魅えた。
この2人はこの時、度を越していたのではないだろうかと思える状態にみえた。
終わりを告げるナレーションを息子のセリフで面白おかしく締めようとしていることが逆に裏側を伝えるような雰囲気だと私は捉えたが多分、気づいた人は多くいると思う。
あまりに深い闇も抱えるだれにでもどうこう出来ることではない社会問題の多くは沈黙でしかやり過ごせないシチュエーションだってある。いつもどこかに見え隠れはしている。最後の母役:尾野真千子が施設で演じた舞台?寸劇?【神様】は一見の価値はあるかと…。舞台が好きな人には理解されるだろう。
作中、弁護士役は島田久作さんだった。はるか昔になるか映画【帝都大戦】という作品の顔であったと思う。当時は子供ながらに観ていた【帝都大戦】のメインキャラをオフではあったが大人に成り、中野駅南口方面にある公園通りでお見掛けした。私たちはサーフィンの帰り道で車中からだったが、やはり大きかった。子供の頃にTV画面で観ていた俳優さんを現実におみかけすると感動もありながら不思議な気持ちになる。