2月で気温が低く、部屋のエアコンを付けずに見ていたからとも言いたくなるような冷たい感じを受けた。背筋が凍る思いをした。鳥肌は言うまでもなく立った。
舞台の主役は大学時代から容姿端麗、才色兼備のようなもてはやされ方を受けるのも受けているのも、そう成るように振舞える夏原友希恵(松本若菜)だと思って推理に没頭していた。常に彼女の人間関係の端の方から要素をつまみ広い集めていき母体に辿り着いていけるように映っている。
それが遠ざかったり、歩み寄ったりを繰り返し物語が進んで行く。
ある事件の刺殺された主要被害者として名前があがっていた田向(小出恵介)の大学時代に描写が強くなる。
ここからは経験値と推理のセンスを問われる内容なのかもしれないが、開始からあらゆる場面に振り撒かれる種を拾っているかどうかが肝ではないか。
最終的に、完全に私はすべてを覆された推理の結果と成ったが初見でこのストーリーを読み解ける人はいないと推測する。
勿論、原作を読んでいれば話はまた違う。
暇つぶしの流れで映画【愚行録】をクリックし観てしまったが、肝を冷やした。
貫井敏郎ミステリーはまた別の作品を、今度は読みたいと思った。