前に進むための場所

過去の掘り起こしを未来に繋げる

黄色いトレーンは5人で支える程に裏地はピンクで聲とアームは紅いレザーで。|【メットガラ ドレスをまとった美術館】

当ブログではアフィリエイト広告を利用しています

アナ・ウィンターはVogueアメリカの編集長。
アンドリュー・ボルトンメトロポリタン美術館の館長。
2015年に2人が催したメットガラ。
美術館の維持、運営の為の資金作りという理由でもあったらしい。

 


私はファッション誌はメンズノンノを観ていた。あの時いつもページを捲るとポーズをとり視線があらゆる方向に向いているが完成された写真。
当時は未だ文章を読む事がとてもとても苦手だった私は写真だけに注力し毎月メンズノンノのページ捲っていた。
いまでは掲載されていたモデル陣は俳優などに飛躍を遂げそれこそ有名人と成った。
マークパンサー、大沢たかお田辺誠一

雑誌Vogueは今年から気にして目を向け始めていた。写真を撮るようになって2年目。好意にしている写真家が海外ファッション誌に目を向けろと言っていた。
技術や経歴がない私はとにかく鵜呑みにし実践しトライ&エラーで蓄積していく手段しかとれないのでそうする。
Vogueを意識して目を通していると映像作品にもそういった物が表示されてきた。【メットガラ ドレスをまとった美術館】というタイトルの映画、ドキュメンタリー作品だ。
Vogueアメリカ編集長のアナ・ウィンターとメトロポリタン美術館の館長アンドリュー、デザイナーのアレクサンダー・マックイーン、グオ・ペイ…
異世界感が心底味わえる映像作品だ。

 

グオ・ペイの「磁器のドレス」
リアーナがまとった黄色のドレス、トレーンと呼ばれる背中から流れるような尾ひれの長い部分を5人でささえ裏地はピンク…「グオ・ペイが制作に2年かかったと」リアーナはコメント。

 

『人が着飾ったアート』
と表現されたアレクサンダー・マックイーンのドレス群

 

この大イベント2015年の【メットガラ】での極めつけは映画監督ウォン・カーウァイが携わり監修している館内、会場の魅せ方にもある。光の指し方の表現。
水面にガラスを浮かばせる。そのガラスは水面に乗せる前にハンマーで割り、水面から打点の低いところで割る。ガラスが割れた自然の形状と位置のまま散りばめられる。

そこに光を操るライティング技術者とのコラボで神秘的な光と影の演出が成されていた。


この年のメットガラのタイトルが「鏡の中の中国」というアメリカと中国の文化とファッションの融合という難解な主を置いていることを柔らかく映し出したように見えた。
(アレクサンダー・マックイーンの回顧展を抜き歴代5位の実績とクレジットされたとのこと。来場者数は約80万人。)

世界的な立役者のアナ・ウィンターとアンドリュー・ボルトン
その裏側を垣間見る事が出来、アレクサンダー・マックイーンの作品を改めてお目見え可能、グオ・ペイの芸術に出逢える映像作品。

【メットガラ】が開催されるまでの、立案から設営までの、観てるこちら側が疲弊してしまう様な唾を飲み込むが直ぐに乾いてしまう臨場感と緊張は良質な時間を提供してくれた。

届くことのない領域を身体で感じさせて貰えるのは映画ではなくドキュメンタリーだからなのかもしれない。

 

【メットガラ ドレスをまとった美術館】を観賞し流れる映像に終わりを感じ出した時、なんとなく…即座に再生を止めた。
終わってしまうのが惜しくて一旦、Amazonプライムで表示された画面の右上にある×ボタンをクリックした。
×ボタンをクリックする前に確認した画面下部に表示のある作品残り時間を確認すると約5分未満だった。惜しかった。

今ではなくて、もう少し終わりを引き延ばし視聴を終わらせようとあまり意味もない行動を取った。


この映像作品の締めを飾ったのは2015年のメットガラに招待されたモデル&ドレスの写真を紙面化する為に構成を担当していた2人だった。
作中に映し出されるどのスタッフよりも楽しそうな雰囲気だった。それもそのはず、イベントの次の日。事を終えた後の結末。
翌日のことだからこそ関わった全ての人はホッと一息、興奮が継続も当然。

表紙は当然のようにリアーナがグオ・ペイの黄色いガウンを纏いレッドカーペットに君臨している写真だった。


このメットガラ イベント中に一人のセレブ(モデル)がコメントした。
『ワインを静脈注射したい』
そんなセリフをナチュラルに発することが可能なのは2015年にメットガラに招待された500人にリストアップされるセレブの一人…裏付けがない限り口には出来ないだろうと感じた。