知っているようでしっかり観たことがない物が数多く存在するディズニー映画。今回は【美女と野獣】。別の作品をDVD、MovieNEXで観ているとアニメ版を観るよりも前に実写版(エマ=ワトソン)の予告トレイラーを目にしてしまい、後ろ髪を惹かれる思い。実写版のチップに一瞬気持ちを持って行かれた。
【Beauty and the Beast】という英語タイトルは私には語呂が良く、聞こえも良く、自然と英語表記なだけで観賞心をくすぐられるような言葉群だ。
物語の始まりはミュージカル舞台風にベルが街にスキップをするかのように踊り歩き歌を唄いそれに合わせて町人達も歌詞のごとく参加してくる。
ここで直ぐに
「ボンジュール」
と挨拶が交わされることからフランスの街並みなのだろう…と口火を切った。
その後にガストン(お約束のヒール役)がユニークに登場してくる。この辺りのシーンでは私はガストンに惹かれ恋焦がれるガストンガールズ3人衆がお気に入りだ。こういった裏方キャラはなくてはならない存在であり、ある意味では要である。
町一番の美人である主人公ベルはいっけんメイクが派手に見え、日本人視点を投げれば水商売風なアイメイクをしているかのようにも捉えられた。それは先のブログで記事にした【リトル・マーメイド】に登場する悪役アースラのメイク、顔立ちもそうだが、後者はスタイルからするとオペラ歌手かオネエ風に映った。
物語は進み主人公ベルが父の身代わりとなり野獣の城で生活を余儀なくされた時、魔法をかけられている召使のキャラ達はとても愛くるしかった。ポットおばさんなど鉄板キャラである。チップとのやり取りもほのぼのさせられる雰囲気だ。ここでの注目はセクシー担当のような立ち位置に君臨した『ほうきのフィフィ』が良い味を出していた。キャンドルに姿を変えられているルミエールとのイチャイチャしながらカーテンの裏から再登場する際に用意されたセリフ回しにはニヤリとさせられた。(フィフィのビューティースポットは南野陽子的だ)
過去、こういった作品は英語音声で字幕を日本語表記にして楽しんでいたがいつのまにか意識改革が起きたのか日本語吹き替え版のセリフ回しが非常に楽しい。
勿論、その後に英語音声版も流し見するのだが。
かくして、主人公ベルは野獣との生活を、時間を共にすることになり2人で食事をしたり本の読み聞かせなどもする。そこで野獣にベルが読み聞かせた本はシェイクスピアの【ロミオとジュリエット】だったりする。小技をふんだんに織り交ぜる当たり油断できないディズニー映画の脚本。
上記の画像に表示されているようにMovieNEX版には【美女と野獣】の3つのタイプが収録されている。1.リミテッド・エディション 2.オリジナル劇場版 3.ワーク・イン・プログレス版
1.リミテッド・エディション版には通常公開版ではカットされているシーンやセリフを表示しており少し違った要素が楽しめた。3.ワーク・イン・プログレス版こちらは目を見張る。正直、興味がなければなんてことなく面白く映らないかもしれないが初期の絵コンテを各シーンの間に噛ませ本編と繋いで最後まで魅せてくれる。それはとても独特でふつうに観賞することにマンネリしてしまった方々にはとても刺激的だと私は感じた。技術のオールド感が逆に新鮮だ。白黒タッチで中途半端にみせる漫画のようで味があった。
結末は他の作品よりも明確にわかり切ってしまっている【美女と野獣】ではあるが繰り返して観てしまうのは物語にまとまりと完結が明確にあるからだろう。