ある著者のエッセイ集を読んでいた時【東電OL事件】というフレーズが文章にあり、そこでそのエッセイ集を読み進めるのが止まった。そのフレーズが気になったからだ。読んでいた本を閉じ、ノートパソコンを開き【東電OL事件】を調べた。分かり易く、情報量も多くまとまっていたのはウィキペディアだった。
東電OL事件を少しなぞるとなんとなくその事件のことをテレビの報道で見たことがあるような記憶があった。「ゴビンダさん」というネパール人の方。
当時、事件そのものの概要は理解出来ていなかった。事件発生時期、私は未成年だったと思う。TVで報道される内容に対し私の母が嫌うようなジャンルであったので、それが映る時はチャンネルを直ぐに変えられていたとも記憶する。くわえて、その時期の私は地方におり、東京の出来事、TVで放送される物事に全く興味を示していなかったのもある。
ウィキペディアで知った事件の内容を少しでも掘り下げてみようと関連する書籍、映画等の関連作品の一覧を見た。既に24年目となっているこの事件に関連する物は多く存在していた。一覧を映像作品の部分だけみれば微かに目を向けたことがある物もあるようにみえた。【東電OL事件】として把握はしていなかった思うが。
出典:
あらすじを辿る様な文章はいくつもあるが結局自分が知りたいような部分は見えてこない。1冊でも書籍を読む事が解消に繋がると思い、中でも造詣が深そうな著者の書籍を選んだ。
出典:
佐野眞一さんという方の作品に目を向けた。
「東電OL殺人事件」2000年
『東電OL症候群』2003年
なんとなくだが後者を選び、後者の方が事件発生から時が経過しており、たった3年の違いだが現代に近い西暦がクレジットされている方。憶測……そのほうが情報がより増えている内容だと期待した。
【東電OL症候群】を読んだ体感としては、被害者に関連する周りの部分を掘り下げた内容が多いと感じた。被害者により深く、事件を読み取るには前者である「東電OL殺人事件」が該当すると察した。
『東電OL症候群』の中で特に印象に残った点は2つ。
1つ目は、ゴビンダさんに繰り返される日本の対応(信じがたい)
2つ目は、裁判に携わった裁判官が性犯罪を犯し懲役、執行猶予を受けている点だ。
この2点は被害者の状況をかき消すところまではいかないが、それぐらいのインパクトはあった。(瞬間的にだけでも被害者を薄める程の衝撃)
正直、東電OL事件の被害者を掘り下げて知る為に読みはじめたことでこのような事実を知ることになるとは甘かったというか、予想外だったというか東京を不思議と捉えた方が良いのか、日本に首をかしげるべきか……ノンフィクションとして受け止める内容に困った。
私は2003年頃に仕事の関係もあって渋谷区道玄坂へ頻繁に出入りしていた時期があった。その思い出もあり、東電OL事件をウィキペディアで軽くなぞった時に事件現場が渋谷区円山町である理由で興味を持っただけかもしれない。