今週のお題「夏の思い出」
ハワイは1年中夏だというイメージを持っていた成人になったばかりの頃。それは、いま調べれば乾季と雨季があることを教わる。日本が秋の中だったのか、冬に差し掛かっていた時期なのかはもう忘れてしまった。20歳になったであろう男3人はハワイへ向かった。3人共に人生、生まれて初めての飛行機だったと思う。片道は確か9時間半だったか。機内での出来事なんてほとんど記憶にない。3泊5日だっただろうというあいまいな記憶が全てだ。
空港に到着しバスで宿泊先のホテルへ向かった際に窓から見えたカメハメハ大王の銅像はハワイ感をいっぺんに感じさせてくれた。何十年も経過してしまうと所々しか頭の中の記憶に映し出そうと必死になっても映像が浮かびあがらない。今、その時に撮影した写真さえどこのアルバムに挟みしまったのかもわからない。記憶を頭の中で自由に出来ないというのは不便だ。強く残っている映像はダイヤモンドヘッド、アラモアナショッピングセンターの2つか。残りはうる覚えで微かだ。言葉にして表現することが出来ないくらいの数ピース。観光へ行った帰りにバスから降り、歩きだしたら、交差点を当たり前かのようにノーヘルのアメリカ人らしきイケメンがハーレーダビッドソンで太い音を残していったくらいだ。
観光地のような場所をあからさまの若い日本男子が歩いていると観光客をカモる商売に出くわす。異国に来ている20歳の男子にはそれが判断できる感覚もなければ、咄嗟に切り返す能力もない。それが始まり、それが終わり、お金を払ってしまうまではあっという間だった。
日本では見た事のないような大きさのオウムを3羽連れた翁風のハワイ人らしき男性が僕ら3人に近寄る。僕がターゲットにされたのか翁が連れているオウム1羽を手に乗せられる。その時点で怖さもあり身動きは既に取れない。続いて2羽目は肩に、3羽目は頭の上にのせられた。そして写真をとってやるからカメラを貸せと言われ、強制的な記念写真を撮られ…お代は請求された。どう考えても一連の流れからカモられただけだ。観光客狙いというか、日本人がターゲットにされているだけの商売にも感じた。しかし、当時の僕は成す術はなかった。
今日、車を走らせラジオを流していたら番組のパーソナリティがベトナム旅行の思い出を話していた。人生で一番高いココナッツミルクを飲んだベトナム旅行と題して語っていた。内容は前述した僕のハワイで起きたオウム話のようだった。観光で船に乗っていたらしく、その船に居合わせた老人のような人が船の揺れと同時にココナッツを自然な流れで手渡してきたようだ。船の揺れにタイミングを巧く合わせられ旅行者であったパーソナリティはそのココナッツを自然な流れで両手で受け取ってしまったらしい。そしてそれはジュースとして提供され、呑んでしまい、お代を請求された、高かった。「人生で一番高いココナッツジュースを飲んだ」というようなお話。
夏の思い出…チャンチャン。