乾く歩幅

今週のお題「うるおい」
黄色い傘と黄色い帽子と黒い長靴で歩き出す。
乾いた状態で左に扉を開ける。
目線が少しだけ越えるぐらいの高さの門を開いて進む。
右に曲がって真っすぐ進むと大通りだ。
白い大きな家から出てきた人は見せてやると言って、マムシが入った透明な瓶を披露してきた。言葉にならない。
左に湾曲しながら真っすぐ進む。
信号と横断歩道を渡り切る。
左は林のようで右は畑。
やきそば屋を横目に右に湾曲して進む。
また右下のほうには畑。
左には鳩をたくさん飼うアツシの家。
アツシが合流した。
アツシの家のすぐそばにはマコトの家。
マコトが合流した。
鳥の名前がついた保育園は少し左に入って奥へ行かないといけない。
通り過ぎる。
めずらしくはないけど緑色の電話が置いてある十字路。
右に湾曲して下って行くとノリユキの家。
ノリユキは迎えにいかなければいけないとアツシとマコトは向かう。
バイク屋さんみたいな自転車屋さんの前で信号が青に変わるのを待つ。
青になれば横断歩道を渡り工業高校のある方へ歩く。
工業高校を右手にしてまっすぐ歩いているつもり。
工業高校のグランドが終わる区画ぐらいの場所で左へ横断する。
坂道に感じてしまう道を登るようにまっすぐ歩く。
丁字路にさしかかる、右へいってしまうとタカヒコの家だ。
左を選び右へ湾曲すると線路を跨ぐ。
60分経つと踏み切りの音は鳴る。
踏切を渡り切ると右側にはヒヨコを売る人が座っている。
段ボールの中にたくさんいる黄色いヒヨコ。
色が違うヒヨコも少しだけいる。水色。
まっすぐ進む。
気づくとノリユキとアツシとマコトが合流している。
いつのまにか音もガヤガヤしていた。
黒い色の長方形をした重そうな扉は左側へスライドする。
辿り着くといつもその扉は左端にずらしてある。
ゴールでもなくて国境でもない線をあたりまえに跨ぐ。
気づけば黄色い傘も黄色い帽子も黒い長靴もうるおいは隠せていない。
家を出た時は乾いていた。
下駄箱に黒い長靴を入れながらクスッと笑った。